園だより2020年9月号
2020/11/17
園だより2020年9月
園長の挨拶
こどもの「なぜなぜ期」
言葉が少しずつわかってくる2歳前後に「これなあに?」とよく訊く時期があり、そのあとに「なぜなぜ期」がやってくるとも言われます。なぜなぜ期の子供は、とにかく身の回りの些細なことに始まり、ありとあらゆることまで質問攻めにしてくるのが特徴です。それに答えるとまた次の質問を、さらには同じことを何度も質問してくることも珍しくありません。こちらの都合にはお構い無しで質問してくるので、鬱陶しく思ってしまうこともあるかもしれませんが、ここが踏ん張りどころです。特にこの時期は、脳の発達面からもなんでも吸収できる時期なので、質問期は子供の好奇心や学習意欲が特に伸びる時期ともいわれています。ですから、子供の「なぜ」を受け止めてあげることは非常に重要なことなのです。
たとえば「どうして太陽は暖かいの?」と聞かれた際、「太陽光は、赤外線と可視光線が……」と正確に答えても、子どもにとってはよくわからないし、とっさにそこまで答えられない場合も多いですよね。その場合は、「○○くんが寒くないように暖かくしてくれたのかもね」と答えてあげることでも子供は満足します。「そういうものなのよ」とあしらってしまうのではなく、子どものうちであれば、多少メルヘンチックでも誠実に答えてあげる姿勢を大切にしましょう。答えられない時は正直に、わからないと言ってしまってもいいでしょう。そのあとに、「一緒に調べてみようか」と提案し、辞書や図鑑、インターネットで一緒に調べてみるのです。わからないことがあった場合はこのように自分で調べるのだという姿勢を見せることで、大きくなるにつれて自分から調べることができるようになります。忙しい毎日を過ごしていると、子供の素朴な「なぜ?」の連続にひとつひとつ答える余裕がない時もあるかもしれません。ですが、脳が目覚ましく発達するこの時期の「なぜ?」が、子供の成長にとって、とても大切なことなのです。知的好奇心がもっとも伸びるとも言われるこの時期にうまく「なぜ?」を受け止めてあげて、お子様の可能性を伸ばしてあげてください。
園長コラム
「不思議」
わたしは不思議でたまらない、黒い雲からふる雨が、 銀にひかっていることが。
わたしは不思議でたまらない、青い桑の葉たべている、蚕が白くなることが。
わたしは不思議でたまらない、たれもいじらぬ夕顔が、ひとりでぱらりと開くのが。
わたしは不思議でたまらない、誰にきいても笑ってて、あたりまえだ、ということが。 『金子みすゞ童謡全集』より